こんにちは。
「最近、白髪が増えてきた気がする」——鏡を見てふとそう感じる瞬間、ありませんか。
白髪は年齢とともに増えるものですが、実は生活習慣やケアの仕方で「これ以上増やさない」ことは十分にできます。そして最近の研究では、(条件次第ではありますが)白髪が黒髪に戻るケースもあることがわかってきています。
そのカギを握るのが、「酸化」という体のサビつきです。
今回は、白髪と酸化の関係から、日常でできる抗酸化ケアまで、美容師の視点でお伝えします。
そもそも、なぜ白髪になるのか
髪の色をつくっているのは「メラノサイト」という色素細胞です。この細胞がメラニン色素を生成し、髪に色を届けています。加齢やストレス、栄養不足などでメラノサイトの働きが低下すると、色素が届かなくなり、白髪として生えてくるのです。
つまり白髪対策の本質は、このメラノサイトをいかに元気な状態に保つか、ということになります。
白髪の大敵、「酸化」とは
最近よく耳にする「体のサビ」という表現。これが酸化です。
私たちは呼吸をするだけで体内に「活性酸素」を生み出しています。適量であれば免疫機能などに役立つものですが、ストレス、紫外線、睡眠不足、喫煙、偏った食事などが重なると、活性酸素が過剰に発生します。この過剰な活性酸素が細胞を傷つけることを「酸化ストレス」と呼びます。
メラノサイトは酸化ストレスに非常に弱い細胞です。活性酸素によってメラノサイトがダメージを受けると、メラニン色素をつくる力が低下し、白髪が増える原因になります。また、髪の毛根部に過酸化水素(体内で自然に発生する活性酸素の一種)が蓄積すると、メラニンの生成が内側からブロックされてしまうことも研究で明らかになっています。
つまり、白髪対策を本気で考えるなら、「いかに酸化を抑えるか=抗酸化」という視点が欠かせないのです。
白髪を「増やさない」7つの習慣
1. 抗酸化食材を毎日の食事に取り入れる
活性酸素に対抗する力を持つのが「抗酸化物質」です。特別なサプリに頼らなくても、日々の食事から十分に摂ることができます。
ビタミンC(ブロッコリー、キウイ、パプリカ)、ビタミンE(アーモンド、アボカド、オリーブオイル)、ポリフェノール(ブルーベリー、緑茶、ダークチョコレート)。これらを意識的に取り入れることで、体の内側から酸化に抗う力を育てることができます。
2. メラニン生成を支える栄養素も忘れずに
抗酸化と合わせて意識したいのが、メラニン色素の材料になる栄養素です。チロシン(大豆製品、チーズ、バナナ)、銅(ナッツ類、レバー、ココア)、亜鉛(牡蠣、牛肉、卵)。抗酸化でメラノサイトを守りながら、材料もしっかり届ける。この両輪が大切です。
3. 頭皮の血行を意識する
メラノサイトに栄養と酸素を届けるのは血液です。頭皮が硬くなって血流が悪くなると、老廃物も溜まりやすくなり、頭皮の酸化が進みやすくなります。シャンプーのときに指の腹で頭皮を動かすようにマッサージする習慣が、巡りのいい頭皮環境をつくります。
4. 睡眠の質を上げる
睡眠中は「メラトニン」というホルモンが分泌されますが、このメラトニンには強力な抗酸化作用があります。つまり、質のよい睡眠をとること自体が、体の抗酸化ケアになっているのです。寝る前のスマホを控える、部屋を暗くするなど、眠りの「質」を意識してみてください。
5. 紫外線から頭皮を守る
紫外線は頭皮に活性酸素を大量に発生させ、メラノサイトを直接攻撃します。帽子や日傘、UVカットスプレーで頭皮を守ることは、最もシンプルで効果的な抗酸化対策のひとつです。分け目は特に紫外線が当たりやすいので、ときどき変えてあげるのもおすすめです。
6. ストレスをため込みすぎない
ストレスは活性酸素を急増させる大きな要因です。2020年にコロンビア大学の研究チームが発表した論文では、ストレスが原因で白くなった髪が、ストレスが解消されたあとに再び黒く戻った事例が報告されています。完璧なストレスフリーは難しくても、自分なりのリセット方法を持っておくことが、髪にも体にも効いてきます。
7. 白髪を抜かない
つい気になって抜いてしまう方も多いのですが、毛根を傷つけると、そこから炎症が起きて活性酸素が発生し、周囲のメラノサイトにまでダメージが及ぶ可能性があります。気になる場合は根元からカットするか、サロンでの白髪ぼかしがおすすめです。
サロンでできる”抗酸化”ケアも進化しています
最近のサロントリートメントには、抗酸化成分を配合したものが増えてきています。カラーやパーマの施術後は、薬剤による酸化ダメージが起きやすいタイミング。施術後に抗酸化トリートメントを入れることで、ダメージを最小限に抑えながら、頭皮環境を整えることができます。
また、白髪との付き合い方も「ただ染める」だけの時代から大きく変わっています。ハイライトを入れて白髪をなじませる「白髪ぼかしハイライト」や、グレー系カラーで自然に活かすデザインなど、選択肢はどんどん広がっています。おひとりおひとりの白髪の量や生え方、ライフスタイルに合わせたご提案ができますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
白髪の原因をたどっていくと、「酸化」というキーワードにたどり着きます。
食事で抗酸化物質を摂る。睡眠で体の修復力を高める。紫外線やストレスから頭皮を守る。どれも特別なことではなく、日々の暮らしのなかで少し意識を変えるだけのことです。
白髪を完全にゼロにすることは難しくても、「増やさない」ための習慣を積み重ねることは、今日からできます。そして、すでにある白髪とも上手に付き合う方法は、私たちが一緒に考えます。
髪のことで気になることがあれば、カットやカラーのついでに気軽にお話しくださいね。


